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映画レビュー 「縞模様のパジャマの少年」

縞模様のパジャマの少年  原題:The Boy in the Striped Pyjamas

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【公式サイト】  【allcinema】  【IMDb】

ナチスのユダヤ人強制収容所を舞台に、史実で起きた人種差別による大量虐殺の悲惨さと、その事実を知らぬ少年たちの純粋な友情を描いたヒューマンドラマ。

ナチス親衛隊の父親を持つブルーノ(エイサ・バターフィールド)は、父の昇進のため、ベルリンから郊外の片田舎へ引っ越す。異様な雰囲気に包まれている新しい家からは、有刺鉄線で囲まれた「農場」と、そこで働くストライプ地の「パジャマを着た人達」をブルーノは目にする。その農場でブルーノは、有刺鉄線越しに同じくパジャマを着た同い年の子供、シュムール(ジャック・スキャンロン)と出会う。何も知らない彼らの間に友情が芽生えていくのだが・・・。

今まで色々な作品でユダヤ人の大量虐殺は映画化されており、その殆どは直接的な悲惨さを訴える作品だったが、本作はキャッチコピーにもある様に、無心な少年たちの友情から引き起こされる事件から、人種差別や大量虐殺を提起している点が新しい。

やはり印象的なのは、ブルーノとシュムール、この二人の圧倒的な目力だ。
だれが見ても彼らの目に疑心暗鬼という言葉を感じさせない、その澄みきった目で、一気に作品に引き込まれる。
人種差別がある事を知りながらも、自分たちの見たことを信じる。この辺がとても純粋で健気なところだ。

ワタクシはここまで観た時に、何よりも親が子に正しく教育することが何よりも大事だと感じた。
しっかり親が子に今世の中で何が起きているのかを正しく伝え、理解させていく必要があると一度は強く感じた。
しかし、観終わって振り返ってみると、ヒトラー政権下の異様な雰囲気、家族に対しても行う徹底的な守秘義務、そしてその影響を受けた大人が純粋な子供を洗脳していく、こんな状況の中でまともな教育なんてできやしないだろう。仮に事実を伝えても、ブルーノは聞いた「異様な話」よりも目の前にいる「優しいパジャマを着た少年」を信じるだろう。

本作は強いて言うならば、戦争が関わる全ての人を不幸にする、というメッセージだと理解したが、実際の自分の気持ちはそんな単純では無い。少年たちの目力や衝撃のラストシーンなど、かなり派手では無いもののグッとくるシーンが多く、この気持ちをどう表現して良いか良く分からない。加えて自分でアウシュヴィッツを実際に見た経験がフラッシュバックし、ただただ涙するだけである。

評価:★★★★★★★★★

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映画レビュー 「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

ベンジャミン・バトン 数奇な人生  原題:The Curious Case of Benjamin Button

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【公式サイト】  【allcinema】  【IMDb】

80歳で生まれ若返っていく、数奇な人生を生きた、ある男の物語。監督デヴィッド・フィンチャー、主演はバベルで共演したブラッド・ピットとケイト・ブランシェット。で贈るヒューマン・ドラマ。

第一次世界大戦末期の1918年にニューオーリンズに一人の男の子が生まれる。その子は生まれながらにして、容姿、身体機能共に80歳近い老人であり、父親は老人ホームに捨ててしまう。そこで拾われ、ベンジャミン(ブラッド・ピット)と名付けられた赤ん坊は、年を取るほど若返っていった。10歳近くになったある日、ベンジャミンはデイジー(ケイト・ブランシェット)と運命的に出会う。普通に歳を重ねていく度に老いていくデイジーと、年を取るほど若返るベンジャミン、2人の人生が対照的に描かれていく。

本作で先ず目を見張るのが、各年代ごとの顔の映像だろう。アメリカのwebサイトでメイキングが見られるが最近のCGというのは本当に凄い。ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット共に今の面影を残しながら、違和感なく老けていったり若返ったりするので、観ていて違和感が全くない。このCG技術がなければ絶対に映画化はできなかったであろう。

そしてその映像技術がフル活用され、ベンジャミンとデイジーの対照的な人生が描かれていく。バレエの世界で着実な成果を上げ、世界が広がり、人生のピークへ着実に歩み続けていくデイジーと、若返っていくとはいえ、まだまだ老人の域から出られず、心と体の釣り合いが取れてないが、色々初めての経験をするベンジャミン。2人の人生は実にアンバランスに見える一方で、とても共通点が多いようにも見え興味深い。

この後も、この2人の人生を中心にストーリーが展開されていく。普通の人生を送るデイジーは、夢を諦め、日に日に衰えていく自分を咎めてしまう。彼女が劇中でも「I just don't like getting old」と言っていた様に、人は歳を取るのは嫌だという。しかし歳を取るごとに若返っていくのがベンジャミンなのだが、本作で描かれる彼は決して幸せそのものという訳でも無い。最愛の人とも長い間同じ時代を生きられず、折角子供を授かっても父親としての務めも果たせない人生、それこそ彼の数奇な人生が描かれていく。そして、その2人の生き様から、人の人生とは一体何なのか、という事を考えずにはいられなくなるだろう。

本作はブラッド・ピットに対する評価が非常に高いが、ケイト・ブランシェットに対しても同じか、それ以上の評価をしても良いと思う。デイジー役の方が明らかに彼女自身が演じた割合が多いだろうし、特に病院で死期が迫っているときの喋り方ときたら・・・。加えて20歳台の若返り処理された彼女はもう最高としか言いようが無いだろう。

観る前は、もっとフィクション全開でいかにも泣かせる様な作品だと思っていたが、フィクションでありながらもドキュメンタリータッチな作品だ。この辺は完璧症のフィンチャーらしく、時系列順に丁寧に追って行ったからだろう。その反面、上映時間は167分とかなり長丁場だが、容姿の変貌にまんまと魅了され、それほど長さを感じない。
そして、一番評価したいのは、作りがとても丁寧なところだ。無理な所が一つもない。不要に思える個所もあるが、それは見る側の想像を掻き立てる伏線になっている。良く練られた良作と言って良いだろう。

評価:★★★★★★★★☆☆

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映画レビュー 「女優霊」

女優霊

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【allcinema】

リメイク版がリリースされるに当たり、原作を観た覚えがあるものの内容を思い出せないので再度観直した。

リングの中田秀夫の劇場初監督作品。1996年の作品である。

新人映画監督である村井俊男(柳ユーレイ)は、自身の撮影した作品のチェック中に、撮った覚えのない映像が残っていることを発見する。未現像のフィルムに重ね撮りをしてしまったと一度は判断するものの、そこに映っていた映像にどこか見覚えを感じる。その映像が何であるか村井は突き止めようとするが、その真実は・・・。

謎のフィルム、終始重い空気、薄暗い映像など、ジャパニーズホラーの元ネタともなる要素がこの当時から垣間見れる。また幾つかの謎を残すことで、全体的に何かやばそうな雰囲気を醸し出し、謎は全て解決しないまでも十分怖さは伝わってくるいという手法もこの頃から使われている。

上映時間も76分と短く、クライマックスもラスト10分なので、あまりストーリーについて言及できる部分は少ないのだが、この作品でやはり光っていたのは柳ユーレイだ。その風体からの怪しさが、作品の空気と実にマッチしている。

当時はかなり怖いと評判だったのを良く覚えている。恐らくその評判の記憶が今でも残り「怖い作品」と認識されている様だが、既に様々なホラーを観てしまった人にとってはさほど怖くないのではないかと思う。

個人的には、当時から全く怖くなかった。その大きな理由は音楽だ。どうも安っぽいというと失礼だが、VシネやTVドラマを見ている様で、折角の怖い雰囲気をぶち壊してしまう。これだけは本当にいただけない。

リメイク版はその辺が上手く改善されてればとも思うが、最近の映画ではたぶん大丈夫だろう。それよりも86分もあるため、どこまで話を膨らませ、山場を幾つか用意できるかがポイントだろう。

評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆

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映画レビュー 「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」

K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝

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【公式サイト】  【allcinema】

かの有名な江戸川乱歩の怪人二十面相に登場するの主なキャラクタだけを用い、オリジナルとは全く違った解釈で繰り広げられるアクション・ミステリー。監督兼脚本の佐藤嗣麻子のオリジナルストーリーかと思っていたら、実は北村想が原作である。

舞台は第二次世界大戦も起きていない1949年の日本。そこは階級制度がしかれ、職業や結婚の選択の自由を奪われた、完全に差別化された世界だった。そこでサーカス団員として活躍する遠藤平吉(金城武)は、本物の怪人二十面相の罠にはめられ、二十面相として逮捕されてしまう。しかし仲間に助けられ、まんまと脱走した平吉は、本物の二十面相を捕まえて濡れ衣を晴らすべく奔走する。

以下、原作は北村想の小説を、オリジナルは江戸川乱歩の小説を指すこととする。

原作も知らず、子供の頃に読みまくり探偵になる事を夢見たオリジナルの怪人二十面相しか知らないワタクシwでも、最初はちょっと明智や小林少年の態度に違和感もあったが、意外と違和感なく楽しめた作品だ。

子供の頃のワタクシとしては、純粋に物語が楽しめれば良かったわけで、大人になってから二十面相は実は何人いたとか、そういう深堀はどうでも良かったというのが実際である。なので原作となった北村想の小説は全く内容を知らないのである。

原作の小説がどれだけアレンジされたかは分らないが、オリジナルと比べた場合、前述の通りキャラクターなどの設定だけ使い、後はほぼオリジナルのストーリー展開がされると言っても過言ではないだろう。
ストーリーの中で特徴的なのが、遠藤平吉が二十面相になるかを描く部分である。二十面相はオリジナルでも人を殺すことはせず、どちらかというと愉快犯が多かったのだが、本作でも遠藤平吉のその優しい人物像が描かれていて、泥棒でありながら憎めない二十面相のキャラを上手く表現できていた。

そして、注目すべきはやはり金城武のアクションである。殆ど彼のアクションを観る作品と言ってもいいくらいそのウェイトは大きい。狙ってやってると信じたいのだが、二十面相との格闘シーンなどでは、若干まだ身のこなしがしきれていない平吉を上手く演じれていた。軽やかな二十面相と、若干重そうな平吉、すごく対照的だった。

あとの部分は平凡と言ったら失礼だが、肩ひじ張らず楽しめる娯楽作品に仕上がっている。注意すべき点は、明智小五郎の活躍を期待する人は注意が必要だ。主人公はあくまで二十面相なのだから。

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆

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映画レビュー 「脳内ニューヨーク」

脳内ニューヨーク  原題:Synecdoche, New York

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【公式サイト】  【allcinema】  【IMDb】

「マルコヴィッチの穴」や「エターナルサンシャイン」の独特な世界観を作り上げた、チャーリー・カウフマンが監督、脚本を務めた作品。今までの作風通り、本作もかなり特徴的な脚本に仕上がっている。

劇作家のケイデン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は自分の人生とその舞台となったニューヨークをテーマに、新しい演劇を作ろうとする。しかし、それは彼の今生きている人生を映す鏡そのものであり、そのスケールはどんどん膨らんでいく・・・。

チャーリー・カウフマンの脚本はいつも特徴的で、難解だが理解できると非常に面白いというのが特色だ。前作のエターナル・サンシャインでは、多少なりとも分かりずらいという批評もあったが、監督のミシェル・ゴンドリーのアイデアで結構すんなり入ってくる作品になっていた。それが今回、彼自身が監督を務めたのも手伝ってか、非常に難しい、というか何でこんなにまどろっこしいと思う作品になってしまっている。

カウフマンは2つの世界が同居する世界を良く使うが、今回も実際の人生と演劇がほぼ同時進行し、2つの世界というよりも、非常に良く似た同じ世界が少しの時間差で同時進行する感じだ。もう一つの世界が演劇の世界なので、役者も似てるし、服装や髪型など似せられ、さらに登場人物が単純計算で2倍になるので、人や世界の区別ができなくなり、今、どっちの話が進行してるのか分からなくなる。ここがこの作品の理解難易度をグンと上げてしまっている。

世界観の理解が難しくても、それに見合うストーリーがしっかりしていれば、ワタクシはそれで全然OKと考える派なのだが、本作は何故もこんなに同じ事を延々と繰り返すのか、観ていて退屈になってしまう。そしてその合間に繰り広げられる、ケイデンの妄想とも脳内の無意識化にあるアイデアともとれる、娘の日記や妻の作品の回想などのシークェンスがある。これはこれでアイデアとしては面白いのだが、もう少し前後関係や、時間軸の説明が無いと、一回見ただけではまず理解できないだろう。延々とケイデンの失敗人生の繰り返しに時間を費やすのではなく、こちらの説明に時間を使っても良かったのではないだろうか。もっとも人生失敗のシークェンスの繰り返しも、ある程度繰り返さないと一回観ただけでは理解できないので、何度かわざと繰り返しているのではないかと思うのだが。

音楽もエターナル・サンシャインと同じくジョン・ブライオンが担当するが、彼の持ち味も生かしきれてない感じだ。エターナル・サンシャインでの良さは全くと言っても良いくらい見られない。作品自体に緩急がなく終始暗い感じなのも原因の一つではないだろうか。

公式サイトなどでは、賞賛の声が上がっているものの、正直、作品としては失敗だったと思う。ただ、これは見せ方の問題だけなのではないかと思う。この脚本の持ってるメッセージ性、つまりは人生とは、というところが非常に興味深い。この深く難しいテーマと理解しづらいストーリーが重なり、何か底知れない魅力を秘めているように感じる。多分、皆、良く分からないながらもそう感じ、賞賛してるのではないだろうか。個人的には、こういうテイストの作品は嫌いじゃないが、途中飽きてしまう部分もあり、そういう点であえてネガティブな書き方をした。

評価としては微妙だ。単純に評価すると★は2つだけだが、やはり彼の脚本のもつ魅力は素晴らしいので★3つにしておこうと思う。

評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆

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