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映画レビュー 「マイ・バック・ページ」

マイ・バック・ページ

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【公式サイト】  【allcinema】

文芸作家、評論家である川本三郎が綴ったノンフィクションをもとに、脚本家・向井康介がフィクションとして再構成したヒューマンドラマ。学生運動が盛んだった70年代を舞台に、革命を目指す活動家の青年を通じ、新人ジャーナリストの葛藤と成長を描く作品。主演は妻夫木聡、松山ケンイチ。監督は山下敦弘。

安田講堂事件が起きた1969年、東都新聞に入社し週刊誌記者に配属された沢田(妻夫木聡)は、先輩記者の中平(古舘寛治)とともに活動家たちに接触し取材をしていた。その中で、梅山(松山ケンイチ)という新鋭の活動家と出会う。沢田は怪しくも親近感を持つ梅山にいつしかのめり込んでいく・・・。

某番組のインタビューで、山下監督は自身も学生運動を体験してないし、教わりながら作品を作ったと語っていた。当時の実際に関わったことのある人の目線で見るとどう感じるかは分からないが、少なくともワタクシの様に、監督と同じく体験したことのないものにとっても、一度、監督のフィルタがかかってるため、理解に苦しむような事はない作りになっている。

鑑賞前の印象では、梅山の学生運動がメインでストーリーが進むのかと思いきや、それをベースにした、沢田の葛藤や挫折、成長を描いたヒューマンドラマの作りとなっている。

沢田は自分の信じたジャーナリズム貫こうとするも、周囲の反対に合い葛藤する。そんな時に出会った梅山に魅了され、スクープを取りたい、自分を信じたい一心から、ペテンとも言える梅山にどんどん引き込まれていき、結局自分を見失うも、やっと人としての自分に目覚めたといったところか。

一見、グラビア写真の倉田眞子(忽那汐里)との出会いや、先輩記者の中平との何気ない一コマが無用にも思えるが、そこでの一言が物語に大きな影響を与えている。倉田の言った「泣ける男が好き」そして平田の言っていた「~の前に男だろ」的な考え方は、梅山の起こした事件に対して振り返る沢田に大きな影響を与えている。この辺の構成や作り方はとても上手いと感じた。

どうしても気になったのが、全体の流れに対しての梅山のキャラクタのギャップだ。どうしても梅山のハッタリなのだが、とてもそれらしく語る口調と、静かだが自己顕示欲の強い性格、そして松山ケンイチの風貌から主役と言っても良いくらい引き込まれる。特に、自信満々に話し、人々を翻弄していく様は圧巻だ。この時のスピード感はたまらないものがある。しかし、そこから急展開を期待するも、またスローペースに戻ってしまう。それが何度か繰り返されて、若干だが嫌気がさしてしまった。

本作も、間を大事にする作品ではあるが、作風自体はもっと何か大きなムーブメントが起きそうな空気を持っている、その最たるが梅山なのだが、実際はそれ程でも無く期待値と外れてしまったところも先の感想と関連するだろう。

ただし、題材やメッセージ性は面白く、最近の邦画の完成度の高さを感じ取れる作品だろう。評価は期待値と好みでばらつくと考える。

評価:★★★★★★☆☆☆☆

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映画レビュー 「アジャストメント」

アジャストメント  原題:The Adjustment Bureau

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【公式サイト】  【allcinema】  【IMDb】

SF作家フィリップ・K・ディックの短編小説の映画化。主人公デヴィット・ノリスが運命を変える組織の存在を知ってしまったが、自身の意思で運命を切り開こうとするSF・ラブ・サスペンス。主演はおなじみマット・デイモン。共演はエミリー・ブラント。監督は「ボーン・アルティメイタム」の脚本を手掛け、本作が監督デビューとなるジョージ・ノルフィ。

デヴィット・ノリス(マット・デイモン)は、上院議員選挙の敗北宣言をしようとしていた矢先、エリース(エミリー・ブラント)で偶然出会い、惹かれてしまう。彼女と再会を果たし、仲が親密になりかけようとしていた時、謎の集団に出くわしてしまい拉致されてしまう。彼らはアジャストメント・ビューローという運命をコントロールする組織であり、二度とエリースと会うなと約束させられる。どうしても彼女が忘れられないデヴィットは、彼女を探し続けるが・・・。

マット・デイモンとエミリー・ブラントという組み合わせ時点で、何故かマット・デイモンにメロメロになるという展開は、本作も相変わらず継承されている。本作では一応設定上そうなってしかるべきなのだが、彼の出演作品を良く見ている人にはお約束の展開だとまず思うだろう。

閑話休題、予告編からはもう少し骨太のサスペンスを想像していたのだが、中身はラブ・サスペンスといったところか。設定がなかなか面白く、アジャストメント・ビューローの正体や、彼らの用いているシステムが古いようで新しく新鮮さを感じる。

ストーリー展開は、デヴィットとエミリーは一緒に居られない運命だが、2人の力でその運命を彼らの力で切り開いていくという単純なものだ。本来は単純だからこそ、伏線や謎などで肉づけをしていく必要があるのだが、本作ではイマイチやりきれていないため、薄っぺらい印象を持ってしまう。設定が面白だけにとても残念だ。特に、2人の持ち合わせる運命についてはもっと掘り下げても良かったのではないかと感じた。2人が特別な運命を持つのを良いことに、別れても2度もよりを戻せるという乱暴な展開もあるのだから。

マット・デイモンの安定感は相変わらずだ。ただ安定感が目について目を見張るものがあったかと聞かれると微妙だと感じた。走り回ってばっかりでアクションが少なかったからだろうか、どうしても本作の彼にはそれほどの魅力を感じないのだ。

一方のエミリー・ブラントは腰砕けする勢いだ。「プラダを着た悪魔」の時と比べると美人っぷりが半端なく増加している。そしてまた官能的なバレーを踊るとくれば、見どころの一つと言っても過言ではなかろう。

もう少ししっかりしたストーリーラインが欲しいところではあるが、リラックスして見られ、ハッピーエンドでもある事から、若年層のデート映画としては最適だろう。

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆

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映画レビュー 「八日目の蝉」

八日目の蝉

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【公式サイト】  【allcinema】

角田光代の同名小説を永作博美と井上真央の主演で映画化。監督は成島出。不倫相手の赤ちゃんを奪い、4年間にわたる逃亡生活中の母親として子供への深い愛と、誘拐された子が大人になり自身の過去を振り返り受け入れていく様を描くヒューマン・サスペンスドラマ。共演は小池栄子、森口瑤子。

野々宮希和子(永作博美)は秋山丈博(田中哲司)との不倫で妊娠し中絶手術をしたが、後遺症で二度と妊娠できない体になってしまった。その秋山は妻、恵美子(森口瑤子)と別れると言いながら子供を儲けていた。過去に決別するため、その赤ちゃんである恵理菜を一目見ようと家に忍び込んだ希和子は、衝動的に恵理菜を連れ去ってしまう。恵理菜を薫と名づけた希和子は、逃走しながら育てようとするのだが・・・。

一方で大人になった恵理菜は事件の反動で、実の家族と普通の関係を保てなくなっていた。そんな恵理菜も不倫相手との子を身籠ってしまう。これを切っ掛けに希和子の逃亡生活を辿るのだが・・・。

ストーリーの展開としては、希和子の愛情をたっぷり受けて育った恵理菜は、実の家族に戻っても馴染めず家庭はぎくしゃくしてしまう。そんの家庭では普通に行われる行事等も何も無く、愛情というものを全く受けて育ってきてない事を希和子のせいだと半ば恨んでいた恵理菜であったが、逃亡生活を辿るうち、自分に最も愛情を注いでくれたのは希和子であったことに気づく。これを、希和子と薫の逃亡生活と恵理菜と千草(小池栄子)の逃亡生活を辿る2本のタイムラインで構成される。

内容的には不倫相手の、しかも血の繋がりが無い子供を誘拐するという突拍子も無く極めて特殊なケースの話だ。しかし、その特殊な状況を生かして母性、中でも母の愛を強烈に描いている。

最初は血の繋がっていない子供をさらって本当に育てられるのか、愛情を注げるのかなどど詮索してしまいがちだが、一つ一つの情景が丁寧に描写され、且つ永作博美の熱演もあり、そんな心配をするどころか、みるみると物語に引き込まれてしまう。希和子の女として母親としての子供に対する、狂気とも取れる愛情をまざまざと見せつけられ、どこか女性に対する恐ろしさを感じるほどだ。

作品のタイトルにもなっている「八日目の蝉」だが、これは希和子、恵理菜双方を比喩してると言える。希和子は堕胎し、不倫相手から罵られ、もはや生きている意義も無い様な状況で、薫という希望を手に入れた(良いかどうかは別として)。ここからの逃走生活が彼女にとっての八日目だと言えるだろう。それは冒頭で、「犯罪を犯したが、謝罪ではなく感謝してる」という言葉からもうかがい知れる。また恵理菜にとっては子供を産むと決心し、逃亡生活を辿る旅に出たことで、一番憎んでいたはずの人が一番愛していてくれたという事に気づく事ができたことだ。この様な劇中のセリフがタイトルになる事は良くあるのだが、本作の様に表面的な事だけでなく希和子と恵理菜それぞれの人生に掛かってくるあたりは物語により深みを与えている。

本作の主演は、永作博美と井上真央だが、2人の顔がどことなく良く似ているのだ。ポスターで横並びになっているところを見ると、親子と言ってもまんざらでもないレベル。二つのタイムラインが同時に流れつつ、かつ似てる2人が似たような人生を歩もうとしており、生き写しを見ている様な錯覚に陥る。この辺はキャスティングや構成の取り方が非常にうまいと感じた。

脚本的に如何にも狙って泣いて下さいというシーンが幾つかあったことは事実だ。普通の作品の場合、そういうシーンでは涙することへの抵抗感が強く出てしまいがちだが、前述の通り、物語に引き込まれていること、そして何よりも永作博美の、まるで実子に接するかの様な怪演により何のためらいも無く涙を流してしまうだろう。

彼女の各シーンの細やかな表情は、観る者を一瞬で希和子の気持ちと同化させる力を持っているように感じた。特にその目力は半端ではなく、不安、諦め、安堵、喜びという感情だけでなく、不倫相手の女、育て方が分からない不安な母親、逃走犯、そしてしっかり子育てをし、生計を立ててる強い母親という人格を確実に形作り、さらに言えば、誘拐事件と薫への愛情を正当化さえしてしまうそうな勢いだ。ribbonというアイドルが、これ程までの大女優に返信するとは正直恐れ入った。

さて一方の井上真央だが、永作博美と比べるとまだ幅の狭さを感じたのだが、思い返してみると、恵理菜という役自体が愛情を受けて育っておらず、人との付き合いも少ないため、緩急がそれほど無いのが敢えて正解なのかもしれない。

驚いたのは小池栄子だ。今までバラエティなどで見てきた小池栄子のアクの強さはどこにも無く、恵理菜と同じく育った千草を見事に演じていた。恵理菜にとっての牽引役なので恵理菜より前に出過ぎてもいけなく、それでいて欠かすことのできない大事な役。この絶妙なバランスをやってのけたのは驚きの一言だ。

さて、「悪人」の時は、突拍子も無いストーリーだとその時点で感情移入ができない、という意見が聞かれた。しかし本作は取っ掛かりこそ異質だが、その後も描写は丁寧にされているので、感情移入ができないという事は少ないだろう。(男性には理解できない人がでるかもしれない)希和子の母性を存分に感じ、感情に身を任せ素直に楽しめる作品だ。また、やはりこういった作品はやはり日本人しか作れない。邦画の醍醐味を存分に味わうべきだ。

評価:★★★★★★★★★★

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映画レビュー 「ファースター 怒りの銃弾」

ファースター 怒りの銃弾  原題:Faster

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【公式サイト】  【allcinema】  【IMDb】

WWFのチャンピオン、ドウェイン・ジョンソンが兄の復讐のため、関係者を片っ端から殺していくスリリング・アクション。ドライバー、殺し屋、警官の3人の関係が巧みに絡みあい、スピーディな展開が繰り広げられる。

ドライバー(ドウェイン・ジョンソン)は兄と銀行強盗に成功したが、誰かにハメられ、金を奪われ兄も殺されてしまう。10年の服役を経て、兄の復讐に向かう。そこに誰かの依頼で、ドライバーと、ドライバーと同じターゲットの殺害を依頼された殺し屋(オリヴァー・ジャクソン=コーエン)と対峙することに・・・。

一見するとストーリーは単純で単なる復讐劇をベースとしたアクションが繰り広げられるのかと思いきや、ドライバー、殺し屋、警官の3人の関係が巧みに絡み合っていて、徐々にそれらがクライマックスで1点で交わるという展開は意外にも引き込まれてしまった。上映館数もそれほど多くなく、それほど期待していなかったのだが、この点では良い意味で期待を裏切ってくれた。

上映時間も98分とコンパクトにまとめられており、展開がスピーディに進むので飽きさせない所は評価できる。復讐ものだと一人ずつのんべんだらりんと始末していく作品も多いのだが、その点本作はあっけないくらいサクッといってしまう。

登場人物では、やはりドウェイン・ジョンソンだろう。Tシャツがはち切れそうな位のマッチョな肉体と、悪人そうだが根は良い人そうな眼力は存在感バツグンだ。ただ、その肉体を存分に活かすほどのアクションシーンがあまり無かったのは少々残念だ。カーアクションは有り、それはそれでなかなか見所ではあるのだが、展開がサクッと進む反面、この辺りにシワ寄せが来ている感じか。

警官役のビリー・ボブ・ソーントンは、アルマゲドン以来の存在感のある大役だろう。元々持ち合わせている彼のチョイ役的な雰囲気は、本作ではオチにつながる部分も含めてそういう匂いを持った俳優が適している。納得できるキャスティングだ。

殺し屋役のオリヴァー・ジャクソン=コーエンも初見だったのだが、雰囲気を持った俳優だ。最近の若手でぱっと思いついたのがアシュトン・カッチャーだが、彼よりもその役に入り込める資質がある様に感じた。ルックスもバツグンなので、今後の活躍が十分期待できる俳優だろう。

良いことばかり書き連ねてきたが悪い面も勿論ある。やはりアクションシーンが物足りない。ストーリーにひねりはあるものの、それだけで作品が十分成立するレベルには到底達していない。そこには大きな味付けが必要であり、その最たるは主役の特徴も考えるとアクションだろう。ドライバーは常に一匹狼だし、とんでもない騒ぎを起こすのは到底無理で、ある意味現実に即した範囲の演出がなされている。が、映画作品として、しかもアクションものとして捉えると、こじんまりしてしまっている感が否めず非常に残念だった。

全体を通しては及第点には達している内容だ。アクションものが好きで、更にマッチョ好きであればおススメできる作品である。

評価:★★★★★☆☆☆☆☆

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映画レビュー 「富江 アンリミテッド」

富江 アンリミテッド

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【公式サイト】  【allcinema】

伊藤潤二原作のホラー・シリーズ第8弾。死んだはずの姉 富江が増殖しながら月子やその家族を襲っていく。監督は井口昇、富江役に仲村みう、月子役は荒井萌。

高校生の月子(荒井萌)は柔道部の下田(大和田健介)に密かに思いを寄せるが、下田の心は姉 富江(仲村みう)にあり嫉妬していた。そんなある日、工事現場の落下物が富江の左肩に刺さり、富江は即死する。しかし18歳になるはずの誕生日に、突如死んだはずの富江が現れる・・・。

富江はシリーズ化されているもの初見であり、今までのシリーズとの比較はできないため絶対評価として感想を書く。

ストーリーを書きたいのだが、正直前後関係がはっきりせず要約することができない。強いて書くとするならば、ここでこういうのが来ると怖いという恐怖感を何とか一つの話に仕立て、その中で富江と月子の関係を描いていという位だろう。

一番注力したと思われるのは、如何に観客に恐怖体験をさせるかということだろう。現に、公式HPの予告編では「今まで生ぬるい映像をお見せしてすみませんでした」なんていうものまで存在する。

ではどれほど怖いものが出てくるのかというと、これが何とも言えないクオリティだ。間違いなく全て狙ってやってるものだと思うのだが、オーバーアクションでナイフで人を刺すシーン、学生映画の雰囲気漂う悲鳴を上げるシーン、登場キャラでは弁当箱に敷き詰められた化け物の顔、顔だらけのムカデ、そして肩に張り付く化け物や巨大○○など、そのどれもが20年以上前のホラー映画、さらに言えばその年代のお化け屋敷的なクオリティだ。

最近の映画では見られないチープさやあからさまさ、そこに真剣さが加わると見方によってはこれほどおぞましいものはない。本作の怖さは今までのJホラーとは一線を画し、昔ながらの気色悪さな恐ろしさでの勝負しているのは新鮮だ。

しかし、ワタクシの目にはそうは映らなかった。真剣と見せかけて確信犯的に笑いを狙ってるのではないか?というのが一つ。もしくは、怖いものをとことん突き詰めていくと、可笑しなものになることがままあり、本作も頑張りすぎて、一歩引いてみると笑えるものになってしまっている。そう、ワタクシはとにかく爆笑してしまった。確かに今までは生ぬるい映像と言われればその通りだ。

さて、人物に焦点を当ててみる。前述した様に、オーバーアクションやあからさまな素人っぽさな演技のため、良いとも悪いとも言い難い。しかしその中で異彩だったのは富江役の中村みうだろう。あのゆったりとした口調の「月子~」はとても特徴的だし、どこか恐ろしさを感じる。劇中でも一人だけ雪女的な冷たさを感じるのだ。今後ホラー映画等で更に期待したいところだ。

心理的は怖さは公式ツイッターや、ほんとにドキッとするのは公式Webサイトの方が断然上だと感じる。

また本作では色んな作品がフィーチャーされている。特に「冷たい熱帯魚」や「エヴァンゲリオン」などは観ておくと楽しめるだろう。

真剣ともお笑いとも取れる本作は、遊び心溢れる興味深い作品である。

評価:★★★★★★★☆☆☆

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映画レビュー 「リミット」

リミット  原題:Buried

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【公式サイト】  【allcinema】  【IMDb】

終始棺桶の中というシチュエーションで、ある男の脱出劇を描く、チャレンジングなスリラー。主演は「あなたは私の婿になる」のライアン・レイノルズ。監督は新鋭、ロドリゴ・コルテス。

イラク戦争後の復興事業のため、イラクでトラック運転手として働いているポール・コンロイ(ライアン・レイノルズ)。ある日目が覚めると木製の棺に入れられ、地中に埋められていた。棺の中にあるのは誰かが入れた携帯電話、ジッポー、ペン、ナイフ、懐中電灯、発光灯のみ。この極限状態での脱出できるのか・・・?

とてもチャレンジングな作品だ。終始棺桶の中、実際に登場する人物はポールだけ。後は全て電話の相手だけ、それも当然だ。終始棺桶の中なのだから。この状態で十分作品として成立してるのだから、その時点で新しい。これが成立する一つの理由として、携帯電話の存在がある。この高性能化した携帯電話があるからこそ、棺桶の中にいても外の状況が分かるので、脚本に緩急が付くのである。そういう意味で20年までは絶対にできないような作品だ。

単にデジタルガジェットを有効活用しただけでなく、脚本も一部を除き十分良く練られている。特に電話の内容は良くできていて、短い会話の中で必要で十分なエッセンスが詰められていて、この作品のストーリーのコアとなっている。

結構シュールなシーンも多く、その部分に関してはたまらないものがある。一方作品全体を通しては、希望や絶望、そして後悔がキーワードになっていて、棺桶の中のポールの精神状態が映し出される。ここで一番欠けてたのが「生きる気力」だ。何故かこれだけがかなり欠如していて、もがき苦しみ、何とか生きてやろうという気概が感じられない。
この点が大いに不満だったし、前述の脚本の出来で「一部を除き」と書いたのはこの部分のせいだ。

結末は変わらなくとも、最後までもがき苦しむならまだしも座して死す的なノリは、それまでの何とか脱出しようと試みたことと合わないのだ。電話の内容はシュールそのものなのだが、ポールの行動は一考して欲しかった。

レビュー的に短いのだが、これ以上書けることはない。この作品は閉塞感や絶望感をポールを自分に置き換えて楽しむ作品だ。入り込めさえすれば、思わず息苦しくなるこの作品、意外とおススメだ。

評価:★★★★★★☆☆☆☆

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映画レビュー 「ブラック・スワン」

ブラック・スワン  原題:Black Swan

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バレエの世界を舞台に、白鳥の湖の新プリマの重圧から精神的に追い詰められていく様を描くサイコ・スリラー。主役はこの作品で自身初となる2010年アカデミー賞主演女優賞にも輝いたナタリー・ポートマン。共演にヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、ウィノナ・ライダー。監督は「レスラー」のダーレン・アロノフスキー。

ニューヨーク・バレエ団に所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は人生をバレエに捧げ、静かにプリマを射たいと願う清純なバレリーナ。そんな彼女にチャンスが訪れ、新作の「白鳥の湖」で見事プリマの座を得る。しかし白鳥の湖では魔性の「黒鳥」も演じなければならず、大きなプレッシャーとなる。不安と焦りが極限まで達したニナは・・・。

これほど言葉を失う作品も珍しいくらい圧倒される。それもナタリー・ポートマンという一人の女優からであり、ある意味、彼女がこの作品の全てと言っても過言では無い。彼女から伝わってくる不安、恐怖、焦り、そして清純、潔白、更には誘惑、狂気、魔性は尋常ではない、またそれがただの演技だけでなく、バレエを通じてビンビンと伝わってくる。ワタクシの様にバレエなど全くの素人であっても、彼女のバレエからは感情を感じ取ることができ、観る者全てを圧倒する。アカデミー主演女優賞も獲って当然といったところか。

ニナという役は、人間の内に秘められている二面性を極限の状態で演じることが求められる。実際はどうだったか知る由もないが、ナタリー自信も追い込まれていただろうし、また自身で追い込んでいたに違いない。加えて、バレエは自身で大半を演じているという。彼女のバレエから素人でも感情が感じ取れると思えるのは、極限状態でかつ彼女自身が演じているからに他ならないだろう。

ストーリー自体は至って単純だ。ほぼ前述の通りで、プリマの座を得たニーナが次第に精神的に追い込まれていき、ついには幻覚まで見始めてしまう。そんな状態で初日を迎えた彼女に待ち構えていたものは・・・。とこれだけだ。これだけだが、脚本自体はニナという一人の女性にフォーカスし、如何に彼女が崩壊していくかをありありと描いている。一見、ナタリーの演技ばかりば目立ってしまっていて大したストーリー性は無いように見えるが、少しずつ、着実にニナが追い詰められていく様子は、計算され良く練られたものの様に見える。

その一つが山場の見せ方だ。絶頂が絶頂が冒頭に、そしてそれ以上の絶頂がラストで用意されている。ニナの感情はちょうどバスタブ曲線を描くようだ。冒頭で一瞬で観客を引き込む様なホワイトスワンのプリマを演ずるというピークがあってこそ、その後の追い詰められる様がより如実に感じ取れる。その後のラストシーンは言うまでもない。絶頂についてはBGMのPerfectionというタイトルからも読み取れる。

この作品でニナと比べれば大幅に出番は少ないのだが、非常に大事なキャラがいる。それはリリー(ミラ・クニス)だ。彼女はニナの代役であると同時に、ニナが持ってない魅惑力を持っている。これがニナと対象的な立ち位置になっており、機械仕掛けの様なニナと、自由で魅惑的なリリーの差は彼女たちのバレエからも感じ取れる。そしてそのリリーを超えて黒鳥をモノにし、作品の中の観客、そして映画館の観客双方を引きずり込む魅力を増幅させている。

人の内にある二面性をここまで強く感じ、それをしかもバレエを通じて伝える作品など記憶に無い。圧倒されるという表現を使ったが、ラスト15分ではただ言葉を失い、感極まるばかりだ。必見である。

評価:★★★★★★★★★★

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映画レビュー 「アンノウン」

アンノウン  原題:Unknown

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リーアム・ニーソン主演のアクション・サスペンス。最近のリーアムのトレンドっぽく派手なアクションで立ち回る。交通事故で記憶を失くした隙に、自分を乗っ取る不可解な事件を暴いていく。監督は「エスター」のジャウマ・コレット=セラ。

マーティン・ハリス博士(リーアム・ニーソン)は学会出席のためドイツのベルリンに降り立つ。しかし空港で鞄を忘れたことに気づき引き返すが、交通事故に会い昏睡状態に陥ってしまう。何とか意識を取り戻したマーティンであったが、見ず知らずの男が自分を名乗っている。自分は誰なのか、そして自分を名乗る相手は誰なのか、真相を暴くべく奔走するのだが・・・。

96時間しかり、リーアム・ニーソンが出ると辺り構わず暴れ散らし、多数の巻き添えを生むイメージがすっかり定着してしまったわけだが、本作も96時間程では無いにせよ暴れまくるが、意外にも善良な市民の犠牲は一切出ない。

話の展開は紛れもなくサスペンスであり、まぁまぁのビックリもあって決して悪くはない。むしろ、土壇場でちゃぶ台をひっくり返し、驚愕の事実!なんて宣伝文句を軽々と言ってしまう最近のビックリサスペンスと比べれば、雲泥の差が付く位良くできていると思う。

ただ若干、自分の記憶が戻っていくシークェンスが長く、そしてなかなか記憶が戻らないからどんどん敵に狙われていくのだが、大学教授のクセにやけに運転が上手かったり、やけに危機察知能力が高かったりするので、そのアンバランス感が何故かイラッとする。もう少しさっさと記憶を戻して早く盛り上がりを迎えないと、全体のテンポも悪く感じてしまう。今回113分なのだが、95分、長くても100分程度にまとめると最適だろう。

また他にもイラッとさせる事が多々ある。殺し屋が何度も襲ってくるのだが、彼らの行動がヌル過ぎて仕方ない。冷戦時代から存在する伝説の暗殺チームとか言いながら、とにかくやること成すことがプアだ。MRIから出てきたマーティンの暗殺しかり、ジーナ(ダイアン・クルーガー)宅での暗殺しかり、そして圧巻はラストの駐車場であろう。まるで素人だ。

また一番ありえないのは冒頭のマーティンと妻のエリザベス(ジャニュアリー・ジョーンズ)のやりとりだ。完全に観客を騙すためだけのシークェンスになってしまっていて、後で思い返すと疑問だけが残る。してや鞄をタクシーに積み忘れるなど絶対に有り得ない。演出やカット割り、音の使い方は緊張感溢れるもので良かっただけに、この辺の作り込みの甘さで台無しになっている様に感じられるのは非常に残念だ。

リーアム・ニーソンのその破壊力は健在で、まぁそりゃ強いですよ、半ばお約束とも言えるが(笑)そのお蔭か、終始大学教授という風にはどう逆立ちしたって見えないのが可哀そうなところでもある。

女優陣でいくと、ジーナ役のダイアン・クルーガーも良かったのだが、やはりジャニュアリー・ジョーンズだろう。33歳の彼女のドレス姿は誰もが目を奪われるだろう。もう少し活躍して欲しかったと思うのはワタクシだけでは無いはずだ。

評価は、その場が面白ければ良い人には★7つ位は付けられるが、ワタクシの様な場合は★3つが妥当だろう。

評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆

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映画レビュー 「ジャッカス3D」

ジャッカス3D  原題:Jackass 3D

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ジョニー・ノックスヴィルを始めとするバカ集団が繰り出す、MTVの人気TV番組がついにスクリーン第3弾をリリースした。しかも3Dだ。

とにかく笑いを求め、面白いと思えればクレイジーなことでもなんでもやる本作。もう理屈なんていらない。

予告編などで良くお目にかかるHigh Fiveを筆頭に、面白ければ例えどんなに子供じみていても、またどんなに下らなくお下劣でも何でもやってみせ笑いに変えるのが本作だ。

バラエティーのショートコント集の様に、幾つもの彼らの挑戦がスクリーンで、しかも3Dで観れるのだ。

何でこんな作品に3Dなんて使うんだろうと思っていたが、意外とこれが面白い。
ハイスピードカメラや、3Dカメラ、CGなど最新機材を駆使し、スローで飛び出す映像を作り出しているため、3Dのプロモーションの様な映像になっており、結構強烈な3Dが体験できる。字幕が3Dだった、なんて感想しか出ない3D作品が世の中に沢山ある中で、数少ない「3Dしてる」作品だろう。

いちいちどういうおバカをやらかしたなんて全部覚えてないし、所詮伝わらないので割愛する。ただし、前例にもれず、ち○こ、おし○こ、う○こ、が全然ダメな人には全くオススメできない。それさえ何ともなければ、序盤から涙を流し、膝をバンバン叩きながら大笑いできる世界が待っている。興行収入が1億ドル突破も理解できる。

とにかく今まで一度も観たことの無い人は是非楽しんでみて欲しい。日本のバラエティーなんてカワイイもんだと思えるほど、笑いのためには遠慮が無い。そんな、ある意味体を賭けた真剣勝負を味わって欲しいと思う。

評価:★★★★★★★★★

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映画レビュー 「ブルーバレンタイン」

ブルーバレンタイン  原題:Blue Valentine

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一組のカップルの始まりから終わりまでを描いたヒューマンドラマ。監督は新鋭のデレク・シアンフランス。主演はライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズ。

ディーン(ライアン・ゴズリング)とシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)は娘のフランキー(ミシェル・ウィリアムズ)と共に暮らしていた。だが、出会ったあの頃とは違い、互いに不満を持ちながらも口には出さず我慢の生活が続いていた。状況を変えようとモーテルに誘うディーンであったが・・・。

作品の作り方は面白く、現在の冷め切った夫婦関係と、出会った頃の熱い気持ちを持っていたカップルの時代をパラレルで見せることにより、コントラストを際立たせ、とても効果的であったと言えるだろう。序盤で誰が誰なのか一瞬戸惑うかもしれない。ここでつまづくと何がなんだか分からなくなる可能性を否定できないが、すぐに分かる(はず)なので大きな問題にはならないだろう。エターナル・サンシャインとは似ているが、現在が並行して進むという点で決定的に異なる。

主演の2人の演技は素晴らしいの一言だ。優しさに溢れるディーンをライアン・ゴズリングは余すところなく演じ、若さ故の「全力で君を愛す」という感じがにじみ出ていた。警戒しながらも徐々に心を開いていくシンディをミシェル・ウィリアムズは見事に演じていた。特にディーンを警戒している時と心を開いている時の表情はまるで別人の様だ。
現在の夫婦役も彼らが演じているのかハッキリしないが、そうだとしたらこれも見事としか言いようがない。疲れ切った夫婦の感情が、表情や態度からビンビン伝わってくる。

本作は、ストーリーの見せ方や、俳優の演技については何の異論もない。満点を付けたいくらいだ。しかし、肝心のストーリーというかメッセージ性が個人的には理解できなかった。

結婚とは生まれた後の生い立ちも何もかも全く違う、本当に他人が対をなす事を意味する。育った環境も違えば、受けた教育も違う。したがって、思想、趣向等も合わなくて当たり前なのである。逆に上手くいくことの方が奇跡に近いといっても過言ではないだろう。

本作の2人も全く違った環境で育った2人だ。ディーンは高校も中退し、気ままな生活を送っている。一方のシンディはきちんとした教育を受け、医師を目指そうとしている、云わばお嬢様だ。不運とはいえ、シンディは他人の子を妊娠してしまうが、ディーンは全てを愛で受け止め結婚する2人。そして子供も育つ頃にはギクシャクする2人・・・。

何でこうなっちゃうんだろう・・・っていう意見が多いと思う。個人的にはこの結末はある意味当然だ。先にも書いた様にタダでさえ結婚とは他人と対になることなのに、この2人は境遇も違う上に、シンディはフランキーが2人の子ではない事に負い目を持ってしまっている。この負い目は相当な神経の持ち主でない限り消えるものではないだろう。この負い目は彼女の「何でもっと他の事をやらないの?」という言葉に現れる。朝から酒を呑んで、定職?に就かないディーンに呆れてるのも確かだろう。と同時に、そうやって家族と暮らせれば良いという、正義感を振りかざすディーンの言葉がシンディを苛立たせ、重荷になっていたに違いない。

一方で恐らく本心で前述の様に思っていて、自分が正しいと思い込んでるディーンは、何故シンディが必死になって勉強してまで看護師になりたいのか理解できないのだろう。彼女にとって医療関係の道に進むのは学生の頃からの目標であり、現状の閉塞感を打破できるかもしれない希望だったはずだ。根本的に考えが違うディーンには到底理解できないだろう。

つまり、どう考えてもハッピーエンドになる可能性は極めて少ないのだ。こればっかりは愛の力ではどうにもならないことだと考える。この事が分かってる人にとっては、何の感情も湧かず、ただダメなストーリーを見せられてるとしか感じ無いだろう。一方で若いカップルなどは「愛があれば大丈夫」、「私たちは違う」と思い、いや、思い込みたくなり、この作品を反面教師として取る事は稀なのではないだろうか。

長くなるので掻い摘んで書いたが、ワタクシが「何でこんな作品を創ったのか理解できない」とツイートしたのはこういう理由だからだ。

上手くいってる夫婦やカップルは、今後の在り方を相談するのも良いかもしれない。今の生活に対してだけでなく、今後起きる様々なイベントに対しても。真面目に話すことの切っ掛けになる事が本作の唯一の意味だと考える。

しかし、たとえどんな結末になっても責任は持ちませんが。

評価:★★☆☆☆☆☆☆☆☆

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