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映画レビュー 「脳内ニューヨーク」

脳内ニューヨーク  原題:Synecdoche, New York

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【公式サイト】  【allcinema】  【IMDb】

「マルコヴィッチの穴」や「エターナルサンシャイン」の独特な世界観を作り上げた、チャーリー・カウフマンが監督、脚本を務めた作品。今までの作風通り、本作もかなり特徴的な脚本に仕上がっている。

劇作家のケイデン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は自分の人生とその舞台となったニューヨークをテーマに、新しい演劇を作ろうとする。しかし、それは彼の今生きている人生を映す鏡そのものであり、そのスケールはどんどん膨らんでいく・・・。

チャーリー・カウフマンの脚本はいつも特徴的で、難解だが理解できると非常に面白いというのが特色だ。前作のエターナル・サンシャインでは、多少なりとも分かりずらいという批評もあったが、監督のミシェル・ゴンドリーのアイデアで結構すんなり入ってくる作品になっていた。それが今回、彼自身が監督を務めたのも手伝ってか、非常に難しい、というか何でこんなにまどろっこしいと思う作品になってしまっている。

カウフマンは2つの世界が同居する世界を良く使うが、今回も実際の人生と演劇がほぼ同時進行し、2つの世界というよりも、非常に良く似た同じ世界が少しの時間差で同時進行する感じだ。もう一つの世界が演劇の世界なので、役者も似てるし、服装や髪型など似せられ、さらに登場人物が単純計算で2倍になるので、人や世界の区別ができなくなり、今、どっちの話が進行してるのか分からなくなる。ここがこの作品の理解難易度をグンと上げてしまっている。

世界観の理解が難しくても、それに見合うストーリーがしっかりしていれば、ワタクシはそれで全然OKと考える派なのだが、本作は何故もこんなに同じ事を延々と繰り返すのか、観ていて退屈になってしまう。そしてその合間に繰り広げられる、ケイデンの妄想とも脳内の無意識化にあるアイデアともとれる、娘の日記や妻の作品の回想などのシークェンスがある。これはこれでアイデアとしては面白いのだが、もう少し前後関係や、時間軸の説明が無いと、一回見ただけではまず理解できないだろう。延々とケイデンの失敗人生の繰り返しに時間を費やすのではなく、こちらの説明に時間を使っても良かったのではないだろうか。もっとも人生失敗のシークェンスの繰り返しも、ある程度繰り返さないと一回観ただけでは理解できないので、何度かわざと繰り返しているのではないかと思うのだが。

音楽もエターナル・サンシャインと同じくジョン・ブライオンが担当するが、彼の持ち味も生かしきれてない感じだ。エターナル・サンシャインでの良さは全くと言っても良いくらい見られない。作品自体に緩急がなく終始暗い感じなのも原因の一つではないだろうか。

公式サイトなどでは、賞賛の声が上がっているものの、正直、作品としては失敗だったと思う。ただ、これは見せ方の問題だけなのではないかと思う。この脚本の持ってるメッセージ性、つまりは人生とは、というところが非常に興味深い。この深く難しいテーマと理解しづらいストーリーが重なり、何か底知れない魅力を秘めているように感じる。多分、皆、良く分からないながらもそう感じ、賞賛してるのではないだろうか。個人的には、こういうテイストの作品は嫌いじゃないが、途中飽きてしまう部分もあり、そういう点であえてネガティブな書き方をした。

評価としては微妙だ。単純に評価すると★は2つだけだが、やはり彼の脚本のもつ魅力は素晴らしいので★3つにしておこうと思う。

評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆

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2011/01/02/17:44 | LOVE Cinemas 調布 | 脳内ニューヨーク 『マルコヴィチの穴』の脚本家、鬼才チャーリー・カウフマンの記念すべき初監督作品。プロデューサーにこれまた『マルコヴィッチの穴』のスパイク・ジョーンズが参加している。主演は『パイレーツ・ロック』のフィリップ・シーモア・ホフマン。現実のニューヨークの広大な...


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