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映画レビュー 「わたしを離さないで」

わたしを離さないで  原題:Never Let Me Go

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【公式サイト】  【allcinema】  【IMDb】

カズオ・イシグロの同名小説が原作の、SFヒューマンドラマ。カズオ・イシグロは映画版でも総指揮を務める。
一見、近代を舞台にしたフィクションと思いがちだが、完全にSFとして創り上げられた世界である事は注意して頂きたい。出演はキャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、そしてキーラ・ナイトレイ。見ると分かるが完璧ともいえるキャスティングだ。

イギリスにヘイルシャムと呼ばれる全寮制で、完全に外界とは隔離された学校があった。ここでの生徒は異様なまでに徹底的な管理下に置かれる異様な学校であった。と一緒に育った、キャシー(キャリー・マリガン)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)、そしてルース(キーラ・ナイトレイ)。卒業し、コテージで暮らすことになった彼女達はある事実を知らされる・・・。

最初に、どう頑張ってもネタバレせずには書けない作品なので、内容を知りたくない方はスキップして欲しい。
ただし、ある程度内容を知っていた方が見易い部分もあるので、そこはお任せしたい。

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この作品では、生きるとは何か、命とは何かを強烈ながらも静かに問う作品だ。それが、作品のヴィジュアルとは裏腹に、『アイランド』並みのSF設定で描かれる。

既に人類の平均寿命は100歳を超えている様な、医療革新が起きてる世界が舞台。その背景には、国が進めるドナー計画(National Donor Program)により、臓器提供する人間を造りだして、延命処置をすることだ。ヘイルシャムはその人間たちの学校で、良質な臓器を提供するため、厳格に健康管理とマインドコントロールがされている。

ストーリーは、彼女達3人が大人になり、ドナーとなり役目を全うするまでが描かれる。その様子は普通の子供となんら変わらず、恋もするし嫉妬もする。大人になれば愛し合い、もっと長く互いにいたいと感じ始めるが、残酷にも終わりは来る。普通は未来を見て生きるのに対し、過去を見て生きる彼女達が、何を想い、何を感じ、生きていくとは何なのかということを、優しいタッチでありながらも強く訴える。

ラストシーンのキャシーの言葉はとても重く、何とも言葉にできない気持ちだ。

間違えてはいけないのは、この作品ではドナープログラムの様な事の倫理を問うものでもないし、また、大人しく運命を受け入れる彼女たちに『アイランド』の様に、逃げてでも生き延びろという指摘は不要だ。あくまで生きるということは何なのか、ということを彼女たちの視点、そしてドナープログラムを実施する側の視点で描いている。もちろん、受け入れられない人も多いと思うが、できればそこは置いておいて頂きたい。

俳優陣はキャラクタ設定と完全にマッチし、素晴らしかった。キャシーは内に強い想いを秘めるタイプで、それをキャリー・マリガンは微妙な表情の変え方で存分に表現していたし、癇癪持ちでどこか壊れそうな危うさを持ったトミーをアンドリュー・ガーフィールドはその絶妙な話し方や表情の作り方が絶妙だった。ルース役のキーラ・ナイトレイはコテージで元気な時と、病院で弱っているときとで、あんなにも違った印象を持てるものかと驚いた。見た目といい、キャラ設定といい。彼女の底力を見せつけられた感じである。

子役の配役にも拘ったらしく、彼女達に似てる子供を学校に行って探したらしい。お蔭で大人になってもすんなり誰が誰だか分かったのでありがたかった。幼少の時代のシーンでは、キャシー役のイソベル・メイクル=スモールが、枕を抱えながらジュディ・ブリッジウォーターのNever Let Me Goを聞き、ルース役のエラ・パーネルが後ろから嫉妬心で見つめるシーンは、まさに生そのもので印象深かった。

今まで様々な「生きる」ことや「命」を題材にした作品は観てきたが、今までとは違う大きなインパクトをこの作品からは受けた。テーマとして重いし、万人に進められないかもしれないが、是非見て生きるとは何なのかを感じ、考えて欲しいと思う。

最後にIMDbでキャシーの台詞を見つけたので貼り付けておく。

I come here and imagine that this is the spot where everything I've lost since my childhood is washed out.
I tell myself, if that were true, and I waited long enough then a tiny figure would appear on the horizon across the field and gradually get larger until I'd see it was Tommy.
He'd wave. And maybe call.
I don't know if the fantasy go beyond that, I can't let it. I remind myself I was lucky to have had any time with him at all.
What I'm not sure about, is if our lives have been so different from the lives of the people we save.
We all complete.
Maybe none of us really understand what we've lived through, or feel we've had enough time.

評価:★★★★★★★★★★

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コメント
はじめまして。
こちらの作品について、
まったく意識をしてなかったのですが、
こちらのレビューを読まさせていただき、
とても興味がわきました!!

今後のレビューも楽しみにしています!!
2011/03/27(日) 22:57 | URL | ばるたん(V)o¥o(V) #Dfd63MsQ[ 編集]
バルタンさん、はじめまして。
SF設定や登場人物の行動で、好みが分かれる作品ですが、ワタクシにとってはとてもインパクトの大きい作品でした。

もしよろしければ見てみて下さい!
2011/03/28(月) 00:23 | URL | Nightwalker #HfMzn2gY[ 編集]
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