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映画レビュー 「ブルーバレンタイン」

ブルーバレンタイン  原題:Blue Valentine

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【公式サイト】  【allcinema】  【IMDb】

一組のカップルの始まりから終わりまでを描いたヒューマンドラマ。監督は新鋭のデレク・シアンフランス。主演はライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズ。

ディーン(ライアン・ゴズリング)とシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)は娘のフランキー(ミシェル・ウィリアムズ)と共に暮らしていた。だが、出会ったあの頃とは違い、互いに不満を持ちながらも口には出さず我慢の生活が続いていた。状況を変えようとモーテルに誘うディーンであったが・・・。

作品の作り方は面白く、現在の冷め切った夫婦関係と、出会った頃の熱い気持ちを持っていたカップルの時代をパラレルで見せることにより、コントラストを際立たせ、とても効果的であったと言えるだろう。序盤で誰が誰なのか一瞬戸惑うかもしれない。ここでつまづくと何がなんだか分からなくなる可能性を否定できないが、すぐに分かる(はず)なので大きな問題にはならないだろう。エターナル・サンシャインとは似ているが、現在が並行して進むという点で決定的に異なる。

主演の2人の演技は素晴らしいの一言だ。優しさに溢れるディーンをライアン・ゴズリングは余すところなく演じ、若さ故の「全力で君を愛す」という感じがにじみ出ていた。警戒しながらも徐々に心を開いていくシンディをミシェル・ウィリアムズは見事に演じていた。特にディーンを警戒している時と心を開いている時の表情はまるで別人の様だ。
現在の夫婦役も彼らが演じているのかハッキリしないが、そうだとしたらこれも見事としか言いようがない。疲れ切った夫婦の感情が、表情や態度からビンビン伝わってくる。

本作は、ストーリーの見せ方や、俳優の演技については何の異論もない。満点を付けたいくらいだ。しかし、肝心のストーリーというかメッセージ性が個人的には理解できなかった。

結婚とは生まれた後の生い立ちも何もかも全く違う、本当に他人が対をなす事を意味する。育った環境も違えば、受けた教育も違う。したがって、思想、趣向等も合わなくて当たり前なのである。逆に上手くいくことの方が奇跡に近いといっても過言ではないだろう。

本作の2人も全く違った環境で育った2人だ。ディーンは高校も中退し、気ままな生活を送っている。一方のシンディはきちんとした教育を受け、医師を目指そうとしている、云わばお嬢様だ。不運とはいえ、シンディは他人の子を妊娠してしまうが、ディーンは全てを愛で受け止め結婚する2人。そして子供も育つ頃にはギクシャクする2人・・・。

何でこうなっちゃうんだろう・・・っていう意見が多いと思う。個人的にはこの結末はある意味当然だ。先にも書いた様にタダでさえ結婚とは他人と対になることなのに、この2人は境遇も違う上に、シンディはフランキーが2人の子ではない事に負い目を持ってしまっている。この負い目は相当な神経の持ち主でない限り消えるものではないだろう。この負い目は彼女の「何でもっと他の事をやらないの?」という言葉に現れる。朝から酒を呑んで、定職?に就かないディーンに呆れてるのも確かだろう。と同時に、そうやって家族と暮らせれば良いという、正義感を振りかざすディーンの言葉がシンディを苛立たせ、重荷になっていたに違いない。

一方で恐らく本心で前述の様に思っていて、自分が正しいと思い込んでるディーンは、何故シンディが必死になって勉強してまで看護師になりたいのか理解できないのだろう。彼女にとって医療関係の道に進むのは学生の頃からの目標であり、現状の閉塞感を打破できるかもしれない希望だったはずだ。根本的に考えが違うディーンには到底理解できないだろう。

つまり、どう考えてもハッピーエンドになる可能性は極めて少ないのだ。こればっかりは愛の力ではどうにもならないことだと考える。この事が分かってる人にとっては、何の感情も湧かず、ただダメなストーリーを見せられてるとしか感じ無いだろう。一方で若いカップルなどは「愛があれば大丈夫」、「私たちは違う」と思い、いや、思い込みたくなり、この作品を反面教師として取る事は稀なのではないだろうか。

長くなるので掻い摘んで書いたが、ワタクシが「何でこんな作品を創ったのか理解できない」とツイートしたのはこういう理由だからだ。

上手くいってる夫婦やカップルは、今後の在り方を相談するのも良いかもしれない。今の生活に対してだけでなく、今後起きる様々なイベントに対しても。真面目に話すことの切っ掛けになる事が本作の唯一の意味だと考える。

しかし、たとえどんな結末になっても責任は持ちませんが。

評価:★★☆☆☆☆☆☆☆☆

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