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映画レビュー 「エッセンシャル・キリング」

エッセンシャル・キリング  原題:Essential Killing

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【公式サイト】  【allcinema】  【IMDb】

殆どのセリフを廃し、アメリカ軍から生きるためだけに大自然の中を必死に逃亡するアラブ兵の姿を強烈に描いたサバイバル・アクション。主演はヴィンセント・ギャロ。監督にイエジー・スコリモフスキ。ヴィンセント・ギャロは2010年のヴェネチア国際映画祭にて、審査員特別賞と主演男優賞をダブル受賞。

 アフガニスタンにて米兵に追い詰められ殺害したことで、米軍によって拘束されたムハンマド(ヴィンセント・ギャロ)拘束された際、聴力を失ってしまい尋問に対し応答できなかったため、黙秘と間違われ激しい拷問をされてしまう。しかし移送中に事故に会い、脱走に成功する。見知らぬ土地をただただ生きるために逃げ続ける・・・。

異色ながら、生きることへの執念を感じさせてくれる作品だ。そしてこれも一つのイラク戦争であり、米軍への批判めいた内容も含まれている。

特徴的なのは、登場人物の殆どにセリフが無く、ただひたすら本能の赴くままに逃走を続ける事をメインに描いていることだ。セリフが無いことで、演技力だけで事態の深刻さや、生き延びようという執念を表現する必要があるが、この点に関しては十二分に素晴らしかった。ムハンマドの母国での境遇については一切語られていないが、誰もが彼の生への執念を感じ取れるだろう。

しかしもうダメだというところで、マーガレット(エマニュエル・セニエ)よって助けられる。彼女の助けられたことで緊張の糸が切れたのか、ここを境にムハンマドの心が折れてしまった様に映る。今まで何が彼をそこまで執念の逃走に突き動かすのか、何のために生き延びようとしているのかは正確なところは分からなかったが、ここから推定できるのは、彼が求めていたのは人の真の優しさだったのかもしれない。

難点も幾つかある。やはりセリフが無いという事と、終始目的のない様に見える逃走劇に終始するというところだろう。単にこれだけでは確かに何を言わんとしがたいのか不明だが、タイトルの意味を理解すると幾分ハッキリする。「エッセンシャル・キリング」とは直訳すると「必須の殺生」となるだろうか、登場人物にとって必須の殺生が何かということになる。どんなに空腹でも野生動物を狩らず、木の実などでしのぐムハンマドと、まるで狩りをするかの様に戦争をする米軍との強烈な対比だろう。エッセンシャル・キリングというキーワードとムハンマドの逃走劇を通じて、今世界で起きてる戦争、なかでもアメリカへの痛烈な批判がされていると感じた。

とても特徴的な作品でまたそれが異質な部分でもあるのだが、とても興味深い作品だ。一度は観ておいても損はないだろう。

評価:★★★★★★★☆☆☆

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