スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




映画レビュー 「桐島、部活やめるってよ」

桐島、部活やめるってよ

00358.jpg

【公式サイト】  【allcinema】

学園ヒエラルキーのトップに君臨する桐島が突然バレー部をやめる。その波紋は、彼の近くを取り巻く生徒たちから、今まで無縁だったヒエラルキーの下位である映画部まで広がっていく。主演は神木隆之介、共演に橋本愛、大後寿々花。監督は吉田大八。

ステレオタイプな学園ヒエラルキーが描かれているが、学園ヒーロー vs オタという構図ではなく、全部の階層の人間が登場し、それぞれが普段抱いている想いを、桐島を切っ掛けにして見つめ直す。中でも何かに打ち込んでいる人の強い想い、反面、なんとなく楽しければ良いや的に流されていく者の虚無感が最大のポイントだろう。

野球部と映画部、ヒエラルキーで言うと全然違うポジションに位置する。しかし彼らの根底に持っている想いは同じなのだ。自分の夢は叶わないと思ってる、いや確信していると言っても良いだろう。しかし彼らは諦めないのである。今、青春のその瞬間を自分が愛する活動に全力で捧げるのだ。たとえそれが叶わない夢だと知っていながらも、現実の世界で自分を信じ生き続けていなかければならないのだ。

最も心を打たれたのは野球部だ。夜の素振り、マラソン、ドラフトに賭ける期待。叶わない夢を一心不乱で追いかける。認めたくない現実が来る瞬間を振り払うかの様にバットを振り続ける。野球部も映画部も分かっているのだ、その夢が叶わないことを。それでも彼らはやり続ける。これこそが人の信念であり、美学なのではないだろう。

ただそう頑張ってもがき苦しんでる人は、自分が気付いていなくても誰かがそっと見ていてくれるものだ。どこかで支えてくれる人がいる。そういう連鎖的な部分が良く描かれていると感じる。

一方でオールマイティな帰宅部の連中は、何かに打ち込む事もなく流されて行く中で、菊池だけは映画部に触発され、自信の虚無に気づく。彼らもはたから見れば何の苦労も無く何でもできる連中の様に思えるが、内心は葛藤があるのだろう。ワタクシは完全にナードというかギークに属していたので、こういった連中の気持ちは良く分からないが、今になってそういうこともあるんだと気づかされた。

同じ日の各登場人物視点でオムニバス的に描かれるので分かりやすい構成になっている。各人のエピソードが、最後に物語が合体するので要領なのでダラダラしないし、良いテンポ感が生まれている。

しかし問題は観客のターゲットだ。高校生が主役の学園青春物語というと、ターゲットはどうしても同年代になりがちだと思うが、内容的に、大人になって人生の荒波にのまれ、自身の過去を懐かしんで振り返る事が出来る年代でないと、共感が得られないのではないだろうか。映画部や野球部側でも良い、帰宅部でも良い、とにかく自分をそこに投影できるかどうかがポイントだ。劇場でも感じたのだが、ティーンエイジャーには、一生懸命取り組む人の姿は全て笑いになっていた。つまりダサイと感じているのだろう。多分彼らには桐島が登場し、もっと分かりやすいストーリーが必要なんだろう(そういう不平を随分耳にした)

評価は絶賛したいところだが、高校生が取る行動が大人の考えた、思考を持った高校生なのだ。青春群像劇に見えて、実は大人が回想した高校生活になっているところがポイントなのである。狙ってやってるあざとさを受け入れられるかどうか、ワタクシはちょっとマイナスした。

評価:★★★★★★★★☆☆



関連記事


コメント
コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
http://nomovienolifebynw.blog106.fc2.com/tb.php/358-1b634a36
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。